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直葬(火葬式)にする注意点

直葬での葬儀は、通夜・告別式などの式を行わず、火葬のみで送る葬儀の方法です。葬儀式がないので最低限の費用で行うことができますが、宗教者の意向や、家族・親族などの意向の調整が必要になる場合があります。小規模な葬儀でも親身になって対応してくれる葬儀社を選ぶとよりよいでしょう。

直葬とは

直葬での葬儀は、通夜・告別式などの葬儀式を行わず、火葬のみで行う一番シンプルな葬儀のやり方です。

直葬を希望される方が、なぜ直葬での葬儀を選んだのか、その理由は様々です。

例えば、

・出来るだけ費用を抑えたい

・入院や介護が長引き、葬儀にかける費用を捻出できない

・親戚も少なくなり、家族だけで見送るので

・菩提寺もなく、宗教的なしばりがないので

・本人が生前に火葬するだけでいいと言っていたから

・火葬をしてから故郷の菩提寺で本葬をするので

・生活保護を受けていて、葬祭扶助を利用するため

などが、ご相談でよくお聞きする直葬を選んだ理由ですが、各ご家族の状況や考えによって、他にもまだあるように思います。

同じ直葬でも、選ぶ理由やご家族の事情は様々でありますので、求めている要望も様々になるかと思います。

最近では、少し予算をのせて直葬+αのバリエーションを希望する人もいます。

たとえば、お別れの時間を少しでもとれるようにしてほしい、とか、僧侶に読経してほしい、などです。お別れや読経に対応できる安置所や火葬場の告別室などを利用することで対応が可能になります。

ご自宅に安置ができる場合には、自宅葬ほど大掛かりにではなく、お別れの場をつくることもあります。

直葬のメリット

まず、葬儀の中では一番費用が抑えられるということが挙げられます。

直葬の場合、式場を使いませんので、それに伴う祭壇などが不要になります。 また、精進落としなどのお食事を召し上がらなければ飲食費もかかりません。

次に、直葬での葬儀では式場を使わないため、火葬日までの待ち日数が軽減されます。川崎市の市営斎場は常に混んでいる印象がありますが、混雑しているのは式場の利用希望者が多いためです。火葬のみで利用する場合、火葬時間を選ばなければ、待ち日数が少なくなり、それに伴って、安置料やドライアイスの費用も軽減されます。

また、火葬のみでの葬儀では、葬儀にかかる時間が短いため、身体的な負担も軽減できます。

直葬のデメリット

まず、直葬の場合、ゆっくりとお別れをする場がありません。

5分〜10分ほどの短い時間でお花入れなどをすることができる火葬場はありますが、お別れができない火葬場もあります。

例えば、神奈川県川崎市にあるかわさき北部斎苑では出棺前にお別れを済ませていることを前提にしているため、火葬場でお別れをすることができません。また、埼玉県春日部市にある埼葛斎場の場合は棺のふたを開けることができないため、お花入れをすることができず、火葬炉に入ってからの読経のみ可能となっています。

自宅に安置が出来る環境の方でしたら、ご自宅でゆっくりお別れをしてから火葬場へ向かう事もできますが、自宅に安置できず、安置所を利用するけれど、少し時間をとってお別れをしたいとお考えの場合には、それができる安置所に安置することが必要になります。

近年、直葬での葬儀が増えていることに伴って、お別れができる安置所も少しずつ増えてはいますが、まだそれほど多くはありません。 安置所は、依頼する葬儀社が自社で保有しているか、もしくはその葬儀社が提携してるところを利用することになりますので、特に要望を伝えていなければ、葬儀社の判断で利用する安置所が決まってしまうため、面会やお別れができない安置所へ搬送されてしまうことが考えられます。

直葬での葬儀でお別れができなかったご喪家が、「あまりにもシンプルすぎて、本当にこれでよかったのか」と、ご葬儀後に後悔してしまうことも考えられますので、お別れをしたい場合には、できれば事前の段階で、お別れができる安置所や火葬場を提案できるような葬儀社を選択肢としておく必要があるでしょう。

次に、直葬での葬儀では、葬儀式を行わないため、参列者が限られることが多いですが、葬儀に参列できなかった人が「お線香をあげさせてほしい」と、連日代わる代わる自宅に訪問され、対応に追われてしまった、という話しを耳にします。

また、葬儀に呼ばれなかったことで喪家から軽く見られているという印象を持たれてしまい、「自分も最期のお別れをしたかった」と言われ、その後の関係がうまくいきづらくなってしまうということも考えられます。

次に、火葬のみで行う葬儀ということで、伝統的な葬儀に慣れている人には違和感がある可能性もあります。

「直葬」という葬儀のかたちは、最近ではかなり浸透してきていて、直葬を選ぶ方も増えていますが、ご高齢の方や地域の風習で葬儀式を行うことが常識と考える方にとっては火葬だけで葬儀を行うことの理解が難しい場合があります。

首都圏にお住いの方でも「直葬にしたいと考えていますが、簡易的すぎませんか、常識外れではないでしょうか」などのご相談をいただくことがありますので、直葬での葬儀が増えているとはいっても、まだ誰もが理解できる葬儀のかたちにはなっていないようです。

直葬で気を付けるべきこと

まず、菩提寺がある方の場合には必ず直葬で行いたい旨をご住職に伝える必要があります。

最近では直葬での葬儀についても理解してくれる寺院も増えてきているようですが、 仏式の葬儀では、通夜や葬儀・告別式は宗教的に一連の流れとされていますので、2日間で執り行うことに意味があります。お寺によっては、葬儀は必ず通夜・告別式をしなくてはならないと考えられているところもあります。

実際、菩提寺があるか方が直葬での葬儀を望んでいたご相談がありました。医療費や施設への費用負担が大きくなり、葬儀に費用をかけることができないという状況を菩提寺のご住職にお伝えしていただいたところ、納骨の時にきちんと読経しましょう、ということで直葬での葬儀を認めて頂いたケースがあります。

直葬での葬儀を希望するということは、それなりの事情があると思います。場合によっては上記のように歩み寄ってくれることもあるようです。

菩提寺を無視して直葬で葬儀を行ってしまった場合、納骨させてもらえない、など、トラブルになることも考えられますので、菩提寺のご住職には必ず直葬で行いたいということを伝えましょう。

次に、直葬での葬儀は、ご対象者の意思や、自分だけで葬儀のやり方を決定してよい場合もありますが、家族や親族など関係者の意向を確認し調整しておいたほうがよい場合があります。

火葬のみで葬儀を行うことがご本人のご意向である場合は周りを説得しやすいですが、現在のところ家族(奥様・ご主人、お子様等)で決められるケースも多く見受けられます。身内でのトラブルの原因を作らないためにも、特にご本人様と血のつながりのあるご両親、兄弟、姉妹等の了解をあらかじめ得ることが大切です。

先ほどのデメリットで挙げましたが、ご高齢の方や地域の風習で葬儀式を行うことが常識と考える方にとっては火葬だけで葬儀を行うことの理解が難しい場合があるので、親族間での調整も必要になることがあります。

直葬での葬儀のお知らせの仕方

火葬のみで行う葬儀のお知らせの仕方としては、ご逝去の連絡をする際に、 葬儀前の段階でしたら、『葬儀は通夜、告別式を行わず、火葬だけで行います、式場の準備はしていません』ということを伝えます。

特に参列していただく近親者の方へお知らせする際には、火葬のみで葬儀を行うことを受け入れられない人もいるということを踏まえて、手短に「火葬のみでの葬儀にする理由」を付け加えると理解を得られるかもしれません。

葬儀を終えてからご逝去のお知らせをする場合には、例えば、「故人の遺志を尊重し、近親者のみで葬儀を行いました」というかたちの書面を郵送します。

ここでは火葬のみで行ったことは特に知らせる必要はないと思います。お知らせはできるだけ早い段階でお送りするとよいでしょう。

葬儀前に連絡か、葬儀後に連絡か、どちらが正解ということはないので、実際の状況を見ながら、故人の交友関係の深さと広さを踏まえ、関係者の反応を予想しながら判断するほかありません。

葬儀前に連絡すれば、知ったからには会葬に行かなければ、と思う人が出てくる可能性があります。しかし、葬儀後の報告のように、「なぜ知らせてくれなかった」という非難はなくなります。

身内でゆっくりお別れ、混乱させないことを優先し、葬儀後に報告するという選択肢もあります。

それでも、「なぜ知らせてくれなかった」と非難され、その後の関係がうまくいきづらくなってしまうことが予想されるような、ごく親しい人にだけは、葬儀前に電話などで直接伝えるという方法も有効かもしれません(他の人には葬儀後に伝えると含みを持たせて) 。

直葬での葬儀の流れ

直葬での葬儀のご相談でよく質問をいただく、ご臨終から葬儀終了までのご喪家の目線での流れを説明いたします。

直葬での葬儀の流れ

臨終 医師による死亡確認後、葬儀社へ連絡します。(決めている葬儀社が無ければセンターへご連絡いただければすぐにご紹介いたします。) その際、自宅に安置できない場合は安置所を利用したい旨をお伝えください。ご安置中に面会を希望する場合には、その旨も葬儀社に伝えておくと安心です。
搬送※納棺安置 葬儀社(寝台車)がお迎えに行き、安置する場所まで搬送し、ご納棺、ご安置となります。
葬儀打ち合わせ見積書作成 葬儀社が火葬場の空き状況を確認し、ご喪家の都合とすり合わせて火葬日、時間を決定します。
火葬前にお別れを希望する場合には、どこで、どのようなかたちでお別れをするか葬儀社と相談します。
その後、葬儀打ち合わせによって決定した内容に沿って、本見積書が発行されます。
見積書は必ず書面で受け取りましょう。また、説明でよくわからないことや、心配なことがあるようでしたら、必ず担当者に確認し、説明をして頂いてください
お別れ・火葬 葬儀社から伝えられた日時に火葬場へ行き、ご火葬となります。

直葬・火葬における待機日数と安置、火葬場の利用資格

火葬場は式場と併設されていることが多く、便利な斎場のため常に混んでいる印象がありますが、式場を使わない直葬での葬儀で利用する場合は、時間を選ばなければ待ち日数は短くて済みます。それでも数日は待たなければならない場合がありますので、火葬の日まではどこかにご安置する必要があり、ご自宅に安置ができない場合は安置所を利用します。

火葬場でも安置に対応しているところは多いですが、神奈川県川崎市のかわさき北部斎苑や埼玉県春日部市の埼葛斎場などいくつかの斎場では火葬のみで利用する場合は安置所が使えないところもあります。

そのような場合には、葬儀社が保有している、または提携している安置所を利用します。

また、火葬場は民営のものと公営のものがあり、利用できる条件はすべて同じではありません。

都内にある火葬場の、桐ケ谷斎場、町屋斎場、四ツ木斎場、代々幡斎場、落合斎場、堀ノ内斎場、戸田葬祭場、横浜市にある西寺尾火葬場は民営の火葬場で、どこの地域の方でも料金や予約条件などは同一で利用できますが、公営の火葬場の場合は各斎場によって 利用資格が異なります。

例えば、川崎市や横浜市の市営斎場、 千葉県千葉市の千葉市斎場などでは故人様が市民であれば市民料金で利用できますが、故人様が市外の方だった場合、喪主の方が市民であっても市外料金になります。

東京都町田市にある南多摩斎場の場合はどなたでも火葬で利用することができますが、故人様が八王子市・町田市・多摩市・稲城市・日野市の5市の住民であれば火葬料は無料で利用できます。5市以外の方の場合、組織外料金が適用になり、火葬時間にも制限があります。

また、埼玉県さいたま市の浦和斎場などのように故人様か喪主が市民であれば市民料金で利用できる斎場もあります。

直葬での葬儀でも、葬儀社選びは大切です。

直葬での葬儀は、最低限の費用で行うことができますが、価格の設定は葬儀社によって様々で、場合によっては10万円以上の差が生じることもあります。

激安なプランを打ち出している葬儀社もありますが、プランの中にどこまでが含まれているのかも確認するとよいでしょう。

また、直葬はシンプルな葬儀のかたちではありますが、お別れや読経などのバリエーションをもたせたい場合には、お別れに対応できる安置所を持っていたり、提携していたりなど、ご要望に対応ができる葬儀社を選ぶことが大切です。

インターネットでは、近隣の地域にに店舗がないにもかかわらず集客している葬儀社も多く出てきます。このような葬儀社の場合、遠くの安置所に搬送されてしまったり、スタッフが遠方にいて打合せもままならないなど、スムーズな対応を望むことが難しくなる場合がありますので注意が必要です。

最後に、直葬での葬儀でも手を抜かず、きちんと対応してくれる葬儀社を選ぶことが大切です。

実際に直葬で葬儀を執り行ったご相談者の方から、「すべてに不案内な葬儀について、親切なアドバイスをして頂き、大変感謝しております」や「丁寧に対応していただき、とても助かりました」などのアンケートのご回答をいただいています。

直葬は火葬のみというシンプルな葬儀のかたちで、どこに頼んでも同じと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、依頼する葬儀社によって満足度が大きく変わることがあります。

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